Synopsis
人類は、神々を殺した。
だが問題は――彼らが夢を見続けていることだ。
〈破滅戦争〉から数千年。
かつて人類によって滅ぼされたセラフィムたちの亡骸は、今なお夢を見続け、その夢によって現実そのものを侵食している。
森が都市を喰らう。
記憶が形を持つ。
世界の法則すら通用しない領域が生まれる。
人々は、それらを――**〈玉座(トロノス)〉**と呼んだ。
そして、ベアトリーチ・ノヴァグアルダは、その最前線へ足を踏み入れることになる。
人類最強格の〈昇華者〉を母に持ちながら、ベアトリーチ自身はまだ卒業したばかりの〈白旗〉にすぎない。
本来なら、何年もの経験を積んでから参加するはずだった大規模遠征――〈行軍〉。
しかし卒業したその日、彼女は他の三人の新人とともに、行軍を率いる二十人の〈昇華者〉の一人、ジョゼ・ラウレアノによって選ばれる。
なぜ自分たちなのか。
誰にもわからない。
ジョゼを除いて。
なぜなら――
四人を選んだのは、彼ではない。
別の“何か”が、彼らを選んだのだ。
数年ぶりとなる大規模な〈行軍〉が始まろうとする中、眠っていた古き〈玉座〉が再び蠢き始める。
そしてベアトリーチは、やがて知ることになる。
死んだ神々の夢へ足を踏み入れることよりも、恐ろしいことがある。
その夢の中の“何か”が、ずっと自分を待っていたと知ることだ。
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