Synopsis

昔、あるところに不死の龍がいた。 たった一匹、この世界で唯一にして完全な生命。 完全であるからこそ、途方もない孤独を抱える龍。 だが、その孤独に寄り添う、もう一つの魂があった。 時には瞬きほどの歳月で、 時には気の遠くなるほどの時を隔て、 姿を変えて何度も、何度も、龍と共にあった魂。 ある時は、共に大空を並んで駆ける「龍」として。 ある時は、ただ静かに寄り添い眠る「猫」として。 ある時は、肩を並べて笑い合う「人間」として。 魂は幾度も輪廻を巡り、気付けば番となっていた。 そして離れるたび「また来たぞ」と龍の元へ還ってきた。 ――龍と彼は間違いなく、唯一無二の番(つがい)だった。 しかし、幾度と繰り返された転生。 いつもより遅い再会にしびれを切らした龍が、 自ら会いに行ったその先で――「彼」は初めて忘れていた。 数百年、数千年、数万年に渡り共に過ごしてきた龍のこと、 龍との思い出、約束、すべてを。 記憶を失った最愛の番と、すべてを覚えている不死の龍。 「彼が忘れているのならば、かつて彼がしてくれたようにそばにいる」 それが私にできる たった一つのことだった かつて彼が私を孤独から救い出してくれたように。 今度は私が、きみの隣へと、自らの意志で歩み寄るために。

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Kakuyomu
Kakuyomu10/06/2026
  • Current不死の龍と輪廻を巡る番