Synopsis

その町では、夜になると時計の針が少しだけ遅れる。 正確には、町の中心にある古い塔時計だけが、毎晩十二時になる直前に三分間止まるのだった。 誰も理由を知らない。 時計職人は何度も内部を調べたが、歯車にもゼンマイにも異常はなく、まるで「止まることを選んでいる」ようだったという。 そして、その三分間のあいだ。 町の人々は決して窓を開けてはいけない。 そういう古い言い伝えがあった。 なぜなら、その時間に外を見ると―― 「月影館」が見えるから。

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Kakuyomu
Kakuyomu10/06/2026
  • Current月影館の消えた記録