Synopsis
王都から帰った息子が、玄関で立ち尽くしておりました。
絵がない。花瓶がない。妻がいない。
「母上、妻はどこに」
「返しました」
お前が手紙でそう書いたのですよ。実務だけでいい、愛する人を迎える、妻は実家に帰しても構わない、母上がいれば十分だ、と。
仰せの通りにいたしました。持参金も、馬車も、あの子が連れてきた者たちも、全部まとめて。
――なお、あの子の実家では「返品は受け付けておりません」と言われました。貸しただけ、だそうです。
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