Synopsis

ある夜、いつものようにWeb小説を読んでいた俺は、閲覧履歴に見覚えのない作品を見つけた。 『閲覧履歴から消してはいけない小説』  作者名はない。  作品ページを開いても、「この作品は公開されていません」と表示されるだけ。  しかも最終閲覧時刻は、眠っていたはずの午前二時十四分だった。  気味が悪くなって検索すると、同じ作品を閲覧履歴で見つけた人々の記録が出てくる。  そこに書かれていたルールは、ひとつ。 《絶対に消すな。》  過去に「消す」と宣言した人間は、その後二度と書き込んでいない。  俺は削除するのをやめた。  翌朝。  閲覧履歴から、別の小説が一冊なくなっていた。  何年も追い続けた作品。  更新を楽しみにしていた作品。  何度も読み返した作品。  自分が過去に書いた、 《最高だった》 《この場面で泣いた》  という感想だけは残っている。  なのに……何が好きだったのか、思い出せない。  そして作品が消えるたび、 『閲覧履歴から消してはいけない小説』の文字数だけが増えていく。

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Kakuyomu
Kakuyomu10/02/2026
  • Current閲覧履歴から消してはいけない小説