Synopsis

機械は、必ずズレる。 温度。 振動。 個体差。 経年劣化。 だから従来は、止めて、測って、調整していた。 だが本当に、止める必要はあるのだろうか。 見るのは三つだけ。 一つ前の値。 今の値。 今、出るはずだった値。 その差を読み、三つの変数を調整する。 また読む。 また比べる。 また直す。 ただ、それをプログラムがリアルタイムに機械的に繰り返す。 新品時の状態へ戻すのではない。 古くなった機械を、今の状態に合わせて自動で調整し続ける。 かつて熟練の職人が「こいつ、少しクセが出てきたな」と長年の勘で見抜いていた機械のズレ。 その一部が、単純な制御として自動化される。 ずれない機械を作ったのではない。 ずれ続ける機械を、正し続ける仕組みを作った。 これは、機械の三半規管を再設計する話。

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Kakuyomu
Kakuyomu10/02/2026
  • Current機械の三半規管の再設計 「カクヨムお題チャレンジ2026秋(第1回『機械』)」