Synopsis
駅裏のブロック塀に描かれていた、人の落書き。
丸い頭。大きな手。不揃いな指。左右に開いた足。
子どもが描いたような、下手な絵だった。
数日後、同じ形の落書きを自宅の塀で見つけた。
それから、街のあちこちで同じ絵を見かけるようになった。
電柱。ゴミ集積所。建物の隙間。
描かれている場所も、大きさも違う。
それなのに、どれも同じ人間に見えた。
いつしか、外を歩くたびに壁を見るようになっていた。
見つけたくないのに、探してしまう。
そして、その落書きは少しずつ、日常の中へ入り込んでくる。
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