Synopsis
「だって名前が書いてなかったんですもの」
――義妹ミレーユはそう言って、私のドレスも宝石も婚約者さえも奪っていった。
けれど彼女は知らない。この国の貴族が、自分の持ち物に魔力で「銘」を刻むことを。
そして建国祭の夜、ミレーユは私から奪った品々を身につけたまま、すべての銘を暴く「銘視の灯」の前へ立つ。
ドレスから、靴から、扇から、次々と浮かび上がる私の名前。
さらに彼女が首につけていた首飾りから現れたのは、六年前に私が助けた男――グラウフェルト辺境伯の真名だった。
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