Synopsis
1889年のイースター休暇前。ウィーン警視庁に落とし物として届けられた女神の胸像には夥しい血痕が付着していた。警察は何かの事件の手がかりかも知れないと届け主と持ち主を探すがその日の夜、何者かによって盗まれてしまう。自身の面子をかけて捜査指揮を執ることになったヘルツ警部は胸像を探さずに行方不明者の捜索するように指示を出す……
*カール・セリンジャー……1862〜1899までのウィーンにおける死刑執行人。死刑執行人は一族かその助手が勤めると相場が決まっており、人々から忌み嫌われる職業だった。ウィーンの死刑は場所ごとに斬首、絞首刑、八つ裂き、車裂き、溺死刑と異なっていたが、本作では1919年に廃止になった記録のある絞首刑を採用。
*リンツァートルテ……リンツ地方発祥の、格子模様のケーキ。名前には複数の説があるが、ここでは「リンツ地方で生まれたお菓子」説を採用している為、ヒューゲルの故郷がリンツ地方であることが分かる。
*近侍……英国では「従者」または「フットマン」に該当するか。ドイツ・オーストリア圏の家事使用人では、「従僕」という言葉が無い為「近侍」という言葉を拝借した。
*ネメシス……ここでは本来の意味に近い「義憤の女神」と訳して用いている。
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