Synopsis
一度、店を潰した男がいる。
異世界で彼が婿入りしたのは、二百年続く老舗料理屋〈銀の燭台〉。
だが店は傾き、客は減り、帳簿には赤字が並んでいた。
主人の名義だけを与えられたロバンに、料理を作ることは許されない。
触れてはならない二百年の炉。
受け継がれた味。
そして、誰も見ようとしなくなった残飯桶。
ロバンが見つけたのは、料理の不味さではなかった。
客が「なぜ来なくなったのか」を、誰も数えていなかったことだった。
味を見る娘と、数える婿。
二人の目で、傾いた老舗をもう一度立て直す。
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