Synopsis
毎年八月十五日になると、祖母は「うさぎうさぎ」を歌いながら月見団子を作る。
十五夜でもない日に月見をする祖母を、大学生の寛と家族は、認知症が始まったのだと思っていた。
その年も、祖母は知らない四人の名を呼びながら団子を丸め、その夜、静かに息を引き取る。
遺品から見つかった古い日記。それを開いた寛は、祖母が九十一年ものあいだ、決して忘れなかった八月十五日の記憶を知る。
戦争に奪われた兄弟と、生き残った祖母。
五つの月見団子に込められた、長い長い「お疲れさま」の物語。
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