Synopsis
「君との婚約は破棄する」
秋の夜会でそう告げられたアネットは、まだ帰りたくなかった。
二年間、婚約者に嫌われないよう、大好きだった踊りも、声を立てて笑うことも我慢してきた。
でも、もう従う理由はない。
「もう踊る相手もいないな」と笑う彼の目の前で、アネットは壁際の椅子へ向かう。そこには、音楽に合わせて靴の先を動かしているお祖父様がいた。
「私と一曲、踊っていただけますか」
これは、婚約を失った夜に、自分の好きな時間を取り戻すお話。
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