Synopsis

八月三十一日。 朝から二人で出かけた一日は、どう考えてもデートだった。 彼が何度か何かを言いかけたことにも、私は気づいている。 だから、駅前で彼があっさり、 「じゃあ、また明日」 と言ったとき。 私は思った。 ――いや、帰るんかい。 まだ時間はある。 ならば仕方ない。 「ちょっと、ファミレス行かない?」 延長戦開始。 あとはもう、言うだけ。 なのに彼は、明日の始業式の話を始め、文化祭の話を始め、冬休みの予定まで立て始める。 違うんや。 そういうことやない。 緊張するたび増えていく彼のコーラ。 苛立つたび減っていく私のポテト。 そして時計だけが、門限へ向かって進んでいく。 夏休み最後の夜。 告白する気だった男と、告白される気だった女。 二人とも好きなのに、何も始まらない。 そんな八月三十一日の、少しだけ長い夜の話。

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Kakuyomu
Kakuyomu09/06/2026
  • Current8/31の長い夜