Synopsis
妻の中に、死んだはずの「別の女」がいる。
欲望に負けて抱いたその体は、妻であって妻ではない。
——俺が抱いたのは、誰だ?
結婚16年。
修平と真由美は、子供には恵まれなかったものの、仲の良い夫婦だった。
ただ一つ、夜の営みを除いては。
修平を愛していながら、なぜか夫を拒み続ける真由美。
その胸には、二十年前に親友レイナを裏切った消えない罪悪感があった。
ある金曜日の夜。
交通事故で亡くなったレイナの遺品であるネックレスを身につけた真由美は、最後まで果たせなかった謝罪を口にする。
「ごめんね、レイナ……もう一度だけ、会いたい」
その夜から、真由美は変わり始める。
普段は夫を拒んでいた妻が、突然、別人のように修平を求める。
翌朝、そのことを尋ねても真由美には何の記憶もない。
そして次の金曜日。
修平の前に現れた“妻”は、自らをこう名乗った。
「レイナ。私の名前」
妻の身体にいる、妻ではない女。
かつて真由美に最愛の男を奪われた女は、今度は真由美から何を奪おうとしているのか。
愛情、欲望、罪悪感、そして復讐。
一人の妻の身体をめぐって、夫婦の日常が少しずつ壊れていく――。
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