Synopsis
仕事を終えたはずの俺が目を覚ますと、そこは見知らぬ異世界だった。
自分に何があったのか。
なぜこの世界へ来たのか。
その直前の記憶だけが、ぽっかりと抜け落ちている。
そんな俺に、女神に近い存在だという女性は一つの力を与えた。
――『記録』。
人や物、場所に残された記録を見ることができる力。
ただし、すべての記録が残るわけではない。
失われるものもあれば、書き換えられるものもあるという。
やがて俺は王立図書館で働くことになった。
そこで出会ったのは、歴史書と実際に残された記録が一致しないことに気づいたという、謎めいた司書グレアム。
調べていくうちに、俺は奇妙な事実に辿り着く。
誰もが知る英雄の物語。
魔王を討ち、世界を救ったとされる英雄アルベルト。
しかし、『記録』に残っていたのは――
「アルベルト、王都に滞在」
「魔王城へ向かわず」
歴史書に記された物語と、残された記録。
その食い違いは、一体何を意味するのか。
そして、なぜ過去の記録は少しずつ消えているのか。
異世界で図書館司書となった俺は、記録を辿りながら、この世界に隠された歴史を探していく。
これは、英雄の物語ではない。
誰かが消そうとした「記録」を拾い集め、世界の真実と、自分自身の失われた記憶を探す物語だ。
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