Synopsis

戦争のない世界では、ロケットは生まれなかった。 その代わり、人々は百年をかけて海底に光路網を築き、世界をひとつに結んだ。 そしてある日、世界各地の代表たちは、新たな計画を発表する。 ――地上から、空へ。 ――空から、軌道へ。 ロケットのない世界で、どうやって宇宙へ行くのか。 答えは、ひとつずつ積み上げることだった。 海の道。 世界を結ぶ光路網。 空に留まる足場。 軌道拠点。 そして、地上へ降ろされる一本の糸。 その建設地に選ばれたのは、赤道直下の小さな島だった。 島で暮らす少女、ナーラは、最初はただ遠くから建設を眺めていた。 潮の匂い。 風の向き。 波の音。 島の人々が昔から知っていた「見えない道」と、世界が作ろうとしている「宇宙への道」が、少しずつ繋がっていく。 やがてナーラは、その道を最初に渡る一人に選ばれる。 誰も行ったことのない場所へ。 誰にも、怖さを尋ねることのできない場所へ。 これは、宇宙へ行く少女の物語であり、 百年かけて一本の道を作った人々の物語。 見えない道を、みんなで渡ってきた。 ――これは、地上から宇宙へ架かる、人類最初の梯子の物語。

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Kakuyomu
Kakuyomu09/04/2026
  • Currentヘリオスの梯子