Synopsis

~魔物を退け、幻獣を招き、亡霊すら鎮める歌声。なのに少年は、魔法が全く使えない~  竜人族の村に生まれたジュキエーレは、水の精霊王である白竜の特徴を色濃く受け継いだ「先祖返り」。真珠のような鱗と、透きとおったかぎ爪を持ち、村じゅうから「いつか強い魔法を使う」と期待されて育った。  だが十歳になっても、ジュキは明かりひとつ灯せなかった。  ジュキ三歳の冬、「冬至の精霊祭」に現れた旅の聖女が、彼の胸に瑠璃色の石を嵌めた。それが何を意味するのか、誰も知らない。  ジュキが持っているのは、セイレーン族の母から受け継いだ不思議な歌声だけだった。村に迫った魔物の群れを歌ひとつで追い返しても、少年は自分の力を認めない。ほしいのは、みんなと同じ「魔法」なのだ。  十歳の精霊祭、ジュキは旅の楽師から、とある秘密を教わる。  ――吟遊詩人の伝承歌は、願いを叶える水の精霊王が眠る「幻の古代神殿」の在り処を示す暗号なのだと。  六年の剣術修行を経て、十六歳になったジュキは村を出る。父から譲られた剣と、誰にも読めない古地図を携えて。  旅の途中、霧に沈んだ幽霊船で出会ったのは、公国の兵士に追われる少女レモネッラ。人族でありながら常識外れの魔力を持つ彼女もまた、同じ神殿を探していた。  目的地が重なった二人は、東の果てを目指して歩き出す。    だがレモネッラには、まだ秘密があるようで――? 世界につながる謎を秘めた少女と、ジュキは伝説の地を目指して旅をする。 【この作品について】  カドコミ漫画原作コンテスト【ナツガタリ'26】応募作品です。  漫画原作脚本形式(セリフとト書き)で執筆しています。全5話=単行本1巻相当の導入部にあたり、物語はこの先も続く想定です。 【世界観】  異界の神々が、邪神を封じるために創り出した世界。  神々は火・水・風・大地を司る四大精霊王を遣わし、邪神を深海の底に沈めた。四大精霊王はそれぞれ一つの大陸を守護しており、この世界には四つの大陸がある。  舞台は、水の精霊王ラ・ドラゴネッサ(白竜)が守護する「水の大陸」。  大部分をレジェンダリア帝国が治め、その中に公国・自治領・聖王国などが点在している。ジュキの故郷モンテドラゴーネ村は、亜人族が自治をおこなう多種族連合(ヴァリアンティ)自治領にある、竜人族だけの小さな村。  ――だが二千年前、白竜を祀る海上の神殿は、封印とともに姿を消した。以来、その在り処を知る者はいない。 【種族】  竜人族、セイレーン族、獣人族(猫人・狼人・獅豹など)、小人族、人族。  人族は魔力に最も乏しい種族で、そのぶん魔道具が発達している。人族は他の種族をまとめて「亜人族」と呼ぶ。 【魔法】  呪文で精霊に呼びかけ、魔力を対価に精霊力を借りる技術。物質に働きかけるのは魔力ではなく精霊力である。  強い術ほど詠唱が長くなるため、詠唱時間をどう稼ぐかが戦いの鍵になる。 【主な登場人物】 ■ ジュキ(ジュキエーレ・アルジェント)/十六歳/竜人族とセイレーン族の混血  水の精霊王・白竜の特徴が強く現れた「先祖返り」。銀髪にエメラルドの瞳、真珠のような鱗、透きとおったかぎ爪、指の間の水かき、二股に分かれた舌を持つ。  竜人族でありながら魔法を一切使えない。かわりにセイレーン族の母から、聴く者を魅了し戦意を奪う「歌声魅了(シンギングチャーム)」を受け継いだ。本来は女性にのみ発現し、声変わりで失われるはずの力である。  小柄で中性的な容姿をたびたび揶揄され、それを嫌っている。相棒は母から贈られた竪琴と、父の書棚から持ち出した吟遊詩人の詩集。 ■ レモ(レモネッラ・アルバ)/十五歳/アルバ公爵家 次女/人族  ピンクブロンドの髪にガーネットの瞳を持つヒロイン。  いくら使っても魔力切れを起こさない、人族としては異常な魔力の持ち主。幅広い魔法を操り、古代語を読みこなす。  「信じられるのは知識と自分の力だけ」が信条の、毅然として合理的な少女。姉に追われて国を出た。ジュキの鱗やかぎ爪をこよなく愛している。 ■ アンジェリカ/ジュキの姉/二十一歳  紫がかった銀髪をポニーテールにした女性。弟であるジュキを溺愛している。 ■ イーヴォ・ロッシ/十九歳  赤髪に大きな図体をした、ジュキの幼なじみのいじめっ子。剣術道場の同門。 ■ クロリンダ/アルバ公爵家 長女/人族  くすんだ金髪。レモの姉。自信過剰にしてヒステリック。実は恋愛脳で乙女な一面も。

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Kakuyomu
Kakuyomu09/04/2026
  • Current【漫画脚本版】精霊王の末裔~「歌声魅了」を武器に魔力無しから最強へ至る、竜人族の少年の冒険譚~