Synopsis

後世の歴史家は、勇者エレノアをこう評した。 ――生涯、伴侶を持たず。 ――数多の求婚を退け。 ――莫大な富を得ながら、私財を残さず。 ――弱き者を救い、ことさら多くの女性たちをその手で救い上げ。 ――色恋にも、富にも、名誉にも惑わされることなく、ただ人類のために剣を振るい続けた。 孤高にして高潔なる女勇者、エレノア。 彼女ほど「勇者」の名に相応しい人物は、人類史上ほかに存在しないだろう。 その生涯において、彼女が特定の伴侶を持ったという記録はない。 おそらく彼女にとっては、人類そのものが愛すべき伴侶だったのだ――。 「……ですって、エリー」 かつて彼女に仕えた老侍女は、そこで伝記から顔を上げた。 懐かしそうに目を細めて、小さく笑う。 「ふふ。あの人、ただの女好きだったんだけどね」

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Kakuyomu
Kakuyomu09/04/2026
  • Current後世では「生涯独身を貫いた高潔なる女勇者」と伝わっているが実はただの女好き