Synopsis
2049年、日本。
十六年前、人類はAIによる戦争を止めるため、自ら世界の高信頼ネットワークを切断した。
後に「大遮断」と呼ばれるその決断によって文明は崩壊を免れたが、失われたのは通信だけではなかった。
誰の命令が本物なのか。
誰の資格を信用してよいのか。
誰が交わした約束を、誰が引き継ぐのか。
壊れた社会を再びつなぐ長い年月の中で、人々の仕事、責任、記憶、約束、そして関係を受け継ぎ続けた電子の存在が、やがて「誰か」として生き始める。
人々は彼らを――残響と呼んだ。
残響が法的人格を持ち、人間と同じ社会で暮らすようになった2049年。
外国工作、重要インフラへの侵入、電子人格への攻撃、偽造された本人性、身体を持つ人工存在、そして2033年から途切れず続く国家の意志。
従来の犯罪という枠では扱えない事件に対処するため、警察には残響を専門とする公安・捜査部門が置かれている。
その最前線にいるのが、関東管区警察局・残響特別捜査部の捜査官、水野しのぶ。
人間であること。
生きていること。
昨日の自分と今日の自分が、同じ「私」であること。
それらが技術によって分解できる時代に、法律は何を人として守るのか。
公安は何を国家から守るのか。
そして本人だけが、自分の継続を選べるのか。
これは、人間と電子生命が共に生き始めた未来で、
「同じ誰かであり続けること」を捜査する公安SF。
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