Synopsis
古鷹山の誓い
瀬戸内海を望む古鷹山に、朝霧が静かに立ち込めていた。
海軍兵学校の生徒である山田磯太郎、本間亮、城英一郎の三人は、訓練を終えた身体を休めながら、山頂から広がる海を見つめていた。
「この海の向こうには、どんな未来が待っているんだろうな」
本間亮が呟いた。
「俺たちは海軍士官になる。その責任から逃げることはできない」
山田磯太郎が答える。
城英一郎は黙って遠くの水平線を見つめていた。
「軍人になるということは、命を懸けるということだ。しかし、ただ死ぬために軍人になるのではない。国と仲間を守り、生きて帰ることもまた責任だ」
二人は静かに頷いた。
古鷹山を吹き抜ける風が、三人の制服を揺らした。
眼下には海軍兵学校の校舎が見える。
この場所で培われた友情と誓いが、やがて激動の昭和へと三人を導いていく。
まだ彼らは知らなかった。
これから始まる戦争が、祖国の運命だけでなく、三人自身の人生をも大きく変えてしまうことを――。
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