Synopsis
「初めてのお客様は、開始20分前までにお越しください」
電話でも伝えた。メールでも送った。
安全に利用してもらうための、大切なルールだった。
なのに開始10分前、一本の電話がかかってくる。
『駐輪場が見つからないんですけど!!』
怒鳴られながら対応していた――はずなのに。
気がつけばそこは異世界。
しかも転職先は、魔力式リフォーマーなる謎の器具が並ぶ《王立身体調律ギルド》だった。
与えられた職業は《身体調律師》。
保有スキルは《姿勢観察》《安全管理》《接客微笑》。
そして、なぜかレベルMAXの《とりあえず呼吸させる》。
「まあ異世界なら、さすがに理不尽な客はいないでしょ」
そう思った矢先、初回予約の通信魔石が鳴り響く。
『ドラゴンを停める場所が分からんのだが!!!』
予約客――魔王。
しかも遅刻。
おまけに、
『我は経験者だぞ!!』
……世界が変わっても、接客業は変わらないらしい。
勇者の姿勢を整え、僧侶の肩こりに悩み、魔王には予約時間を守らせる。
これは異世界を救う勇者の物語――ではない。
異世界でも接客業から逃げられなかった一人の身体調律師が、クセの強すぎる客たちを相手に今日もなんとか働く、お仕事系異世界コメディである。
Serialization Info
Web Novel