Synopsis
毎朝7時52分発のバス。
乗り込むと、最後列の真ん中にはいつも同じ男の子がいる。
名前も知らない。声も知らない。
それでも三年間、私はスマホのミラーアプリ越しに彼を見ていた。
彼が降りるのは、私より二つ前の停留所。
そのときだけ、私のすぐ横を通り過ぎる。
距離は、ほんの20センチ。
声をかけたい。
でも、かけられない。
そんなある日、委員会で遅くなった私は、いつもとは違う帰りのバスに乗った。
そして何となく座ったのは――最後列の真ん中だった。
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