Synopsis

2XXX年、世界各地に忽然と現れた「ダンジョン」。その内部に眠る資源「魔石」は、瞬く間に旧来のエネルギー産業を過去のものへと変え、国家はこぞってダンジョン開拓に国家予算を注ぎ込んでいた。冒険者は今や、医者や公務員と並ぶ確固たる国家資格。中学生になれば、誰もがダンジョンへ足を踏み入れる権利を得られる時代だ。 そんな世界で、朝露凜(あさつゆ・りん)、18歳は、冒険者としては鳴かず飛ばずの日々を送っていた。固有スキルは【自傷ダメージ】――自らのHPを削らなければ、相手に一切ダメージを与えられないという、リスクだけを背負う凶悪な代物。どんな雑魚モンスター相手でも、気づけば瀕死。ギルドの中では「自傷持ちの可哀想な子」として知られる存在だった。 そんな彼女の運命が動いたのは、レベル10のとき。二つ目の固有スキル【継続回復】が発現したのだ。自傷で削った分を、時間をかけてじわじわと治してくれる――ただそれだけの力で、凜は生まれて初めて上層ボスを打ち倒すことに成功する。 戦利品として手に入れた謎の皮羊紙には、衝撃の事実が記されていた。「このダンジョンを完全攻略した者には、固有スキル『固有世界』が授けられる」。同時に発現した【固有スキル解析】によって、凜自身も知らなかった隠し固有スキル【欲する者】――固有スキルの発現確率を著しく高める力――の存在も明らかになる。 「これなら、いけるかもしれない」 凜が目指すのは、栄光でも頂点でもない。誰にも急かされず、静かな町でお茶を飲みながら暮らす、ささやかなスローライフ。その資金を稼ぐため、彼女は配信者「リン・シエル」としての活動を始めることを決意する。 自傷して、削って、また治して――満身創痍になりながらも決して折れない、瀕死上等の配信型冒険者。彼女は各地のダンジョンを攻略しながら、少しずつ視聴者を増やし、やがて世界の誰も知らない"本当の力"へと近づいていく。 これは、争いを望まぬ一人の女性が、自分だけの平穏な暮らしを掴み取るまでの、痛くて優しい成り上がり配信記。

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Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou09/16/2026
  • Current自傷ダメージだけで常に瀕死だったけど、2つ目の固有スキルは回復。やっと目指せるスローライフ