Synopsis

ナギサタウンに吹く潮風は、いつも人の心をゆるめてくれる。けれどその朝、風はどこか濁っていた。三線の音も、竹スピーカーの響きも、町の色彩さえ少し曇って見える。理由は誰にもわからない。ただ、少年だけがその濁りを胸の奥で確かに感じていた。安物の刀を握りしめ、子犬とともに、彼は静まり返った路地を歩き出す。ゆるさと強さが同居するこの町が、ほんの少しだけ弱っている。だからこそ、誰かがそっと支えなければならない。濁った潮風の中で、少年はまだ何かを探している。

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Kakuyomu
Kakuyomu09/13/2026
  • Current泡が跳ねる音の街