Synopsis
五十歳を目前にした叶望は、妻を送り届けるため、いつもより早く家を出る。
その朝、彼は髪を剃っていた。
子供の頃、従兄の章に「女の子みたいだ」と言われ、女の服を着せられた記憶。
美しい妻・雛子への、説明できない嫉妬。
そして、久しぶりに再会した章が連れてきた、ひどく眩しいパートナー。
望は、自分がずっと何かを羨んでいたことに気づく。
けれど、それは章でも、妻でもなかった。
五十年近く生きてきた男が、失ったものの正体に初めて触れる短編。
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