Synopsis
四十三歳
コンビニ強盗に立ち向かった三上冬夜は、まさかの死亡。
しかも神様から告げられたのは、
「お主が何もしなければ、誰も怪我をせずに済んだんじゃがのぉ」
という、あまりにも救いのない事実だった。
そのうえ本来なら死ぬはずではなかったらしく、行き場を失った冬夜の魂は、このままでは消えてしまうという。
そこで神様から提案されたのが、異世界への転生だった。
剣と魔法。
モンスター。
そしてダンジョン。
そんな第二の人生に胸を躍らせていた冬夜だったが、転生した先で待っていたのは――。
車が走り、電車が通り、コンビニも役所もある、どう見ても現代日本のような世界だった。
「……ここ、本当に異世界か?」
だが街には剣や杖を持った冒険者が歩き、役所には《冒険者課》が存在し、その地下には本物のダンジョンが広がっている。
しかも冬夜の身体は若返ることなく、四十三歳のまま。
冒険者としては完全に遅すぎるスタート。
そんな冬夜に与えられていたスキルは、たった一つ。
《遅咲き》
その能力は――年齢が高いほど、レベルアップ時の成長率が高くなるというものだった。
四十三歳だから期待されない。
四十三歳だから心配される。
四十三歳だから、おっさん扱いされる。
しかしレベルが上がるたび、その年齢がとんでもない武器へと変わっていく。
これは、人生の折り返しを過ぎてから異世界へ転生した一人のおっさんが、生活費を稼ぐためにダンジョンへ潜り、仲間と出会い、少しずつ強くなっていく物語。
遅すぎる?
いや――この男にとっては、今が一番の伸び盛りだ。
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