Synopsis

現(いま)は平安 宮中にて、【月影の君】がもてはやされている 月影の 庭を照らす 宵のほど あやしき影の ほのかに見ゆる 太政大臣(だいしょうだいじん)の娘、雪織(ゆきおり)は雪の降る夜、寝苦しく庭をさまよっていた 「実義(さねよし)様はわたくしとの婚約に気が重いことでしょう 詰まるところ権力維持のための婚姻 互いに望んでいないのですから」 月が地を照らし、羽織の擦れる音だけが届く ふと前に目をやると 松の下に淡く光る人影を目にする その面(おも)は見えず 「どこの殿方でしょう」 雪織は惹かれるように近づく 物陰からこちらを窺う、眇(すがめ)の瞳と視線が絡む *御面影(おもかげ):光源がなく顔が見えない *面(おも):顔 *眇(すがめ):切れ長の目

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Syosetu wo Yomou
Syosetu wo Yomou05/27/2025
  • Current月影草子(つきかげそうし)