Synopsis
戦国の世。
藤本澪は、剣豪でも天才軍師でもない。
ただ、人の話を聞き、相手が何を望んでいるのか、どこまでなら譲れるのかを整理するのが得意だった。
「戦わなくて済むなら、その方がよくない?」
嘘はつかない。
一度結んだ約束は、簡単には破らない。
そして相手にも、同じように守ってもらう。
そんなやり方を続けていただけなのに、気づけば澪のもとには和議や仲裁の話が次々と持ち込まれ、やがて国そのものが集まり始める。
そして彼女の隣には、足が速く、勝負どころでは妙に強く、結果を出すことには長けている――のに、なぜか刻限だけは守れない武将・多々見友政。
外交で国をまとめる女と、最後の一手を取りにいく男。
二人はやがて夫婦となり、後世に「戦国最強夫妻」と呼ばれることになる。
なお、史料にはこう残る。
『多々見友政、たびたび刻限に遅参す』
これは、戦わずに済むなら戦いたくない女が、話し合いと信用を武器に、なぜか天下へ近づいていく物語。
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