Synopsis
働く掌を婚約者に恥じられていると信じた伯爵令嬢ハスミクは、婚約破棄と鐘楼当番の返上を懸けて三度目の十二打へ挑み、嘘の外側で自分を選び続けていた公爵の本心を知る。
淑女らしからぬ姿を見せれば嫌われるはず。そう覚悟して鐘を鳴らすたび、なぜか婚約者スノッリの拍手と敬意は増すばかり。それでも仕事から遠ざけられたと誤解したハスミクは、婚約祝賀日の大時報を最後の務めと決める。
十二の鐘を正しく響かせ、傷ついた掌で別れを告げた瞬間、いつも穏やかな彼の笑顔が崩れて――。嫌われようとする令嬢の努力がことごとく空振りし、広場中が見守る前で隠された嘘と不器用な溺愛が明かされるお話。
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