Synopsis

恋人との連絡は減り、会っても以前のように笑えない。それでも別れを切り出す気力すらなく、直人は冷めかけた関係を惰性で続けていた。 そんな彼が職場で密かに目で追ってしまうのは、仕事ができて、少し近寄りがたいほどクールな高峰だった。 付き合いたいわけではない。触れたいわけでもない。たまに挨拶を交わし、ほんの少し言葉を交わせるだけで、疲れた一日が報われる。 これは恋ではない。彼女はただの「推し」だ。 そう呼んでいるかぎり、今の関係を壊さずに済むはずだった。 けれど、残業中の休憩室で交わした短い会話をきっかけに、二人の距離は静かに揺れ始める。近づきたいのに、近づいてはいけない男と、彼にもう少し踏み込んでほしい女。 「推し」という都合のいい言葉に隠した感情は、果たして恋ではないのだろうか。 好きにならないために距離を置いた、不器用な大人たちの恋愛短編です。

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Kakuyomu
Kakuyomu09/08/2026
  • Current推しと呼べば、好きにならずに済むと思っていた。