Synopsis
三十八年続いた叔母の喫茶店が、今夜、店を閉じる。
片づけを手伝いに来た「僕」が出会ったのは、窓枠に座る女や、火の入っていないストーブの前を動かない老人。雨の中を訪れる客たちは、誰も傘を持っていなかった。
瓶の蓋、赤いビー玉、松ぼっくり。
小さな贈り物と感謝の言葉を残し、客たちは帰っていく。
けれど叔母は、傷だらけの緑の椅子を一脚だけ片づけようとしない。
まだ来ない、最後の客を待つために。
ある喫茶店の店じまいと、その先の暮らしを描く、少し不思議で温かな短編。
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