Synopsis
自動車部品の金型をつくる、従業員6人の町工場「阿久津金属加工所」。
大口取引先から持ち込まれたEV向け高精度金型の話をきっかけに、社長の阿久津は4500万円の最新工作機械の導入を検討する。
そんなとき耳にしたのが、最大3000万円の「製造革新補助金」だった。
「3000万円もらえるなら、自己負担は1500万円で済む」
設備商社に背中を押され、銀行から融資を受け、紹介された補助金コンサルタントに申請を任せる。
そして、見事採択。
すべては順調に進んでいるはずだった。
しかしその裏で、自動車業界では大規模なサプライチェーン再編が進んでいた。
取引先、設備商社、銀行、コンサル、補助金事務局。
それぞれの論理の中で、阿久津は少しずつ逃げ道を失っていく。
補助金は会社を救う金だったのか。
それとも――。
中小企業診断士として企業支援の現場を見てきた著者が、補助金バブルと地方製造業を舞台に描く、町工場経営者の転落と再生の企業小説。
Serialization Info
Web Novel