Synopsis
~登場人物の紹介とあらすじ~
i)登場人物の紹介
ブリアナ
港町で潮を読み続ける女性。自由を愛するのんびり屋だが、優秀な幼なじみメリディスへの嫉妬を隠している。通常の潮汐表では説明できない異常潮流を予測する才能を持つ。
ハッリュ
王国西岸を治める公爵にして港湾救難の責任者。予測不能を嫌い、何事にも備えを求める。無愛想なほど厳格だが、人の痛みに敏感で、救えなかった者の名前まで忘れない。
メリディス
王立海図院に所属する海図製作者。慎重で美意識が高く、一度正しいと思ったことは曲げない。ブリアナの幼なじみにして、最大の競争相手。
フアン
港の物資を管理する無口な男。救命具から食料まで正確に把握する一方、海の伝承や海底に残された謎に強い関心を持つ。
ムエル
港湾観測所の記録官。何でも先延ばしにしがちだが、一度考え始めると徹底的に分析する。十年分の観測記録から、ブリアナの予測を理論へ近づけていく。
ゲブリアル
船会社を束ねる商業組合の代表。人に頼ることをためらわない。その性格を生かし、商人、漁師、保険組合、王国を結びつけていく。
ii)あらすじ
港町で自由気ままに潮を観測して暮らすブリアナ。
ある朝、彼女の前に一人の水死体が漂着する。
三日前に沈んだ測量船の乗組員。
だがブリアナには、その死体がこの浜へ流れ着くこと自体がおかしいと分かった。
――公式の潮汐表と、実際の海の流れが違う。
ブリアナが異変を訴えた相手は、王国西岸の港湾救難を統括する公爵ハッリュ。
自由を何より愛するブリアナと、予測不能を何より嫌うハッリュ。
当然、二人は衝突ばかり。
それでも相次ぐ海難事故を前に、ブリアナは風、気圧、水温、海底魔力、漂流記録まで組み合わせた新しい潮流予測へ挑み始める。
やがて異常潮流の先には、巨大な海底穴――「蒼穹孔」と、海を制御しようとした古代の施設が存在することが判明する。
未来を完全に支配したいハッリュ。
未来は変わるものだと信じるブリアナ。
正反対だった二人は、海で人を救い、ときに傷つけ合いながら、少しずつ互いの生き方に惹かれていく。
そして王国を襲う最大の潮流反転を前に、ブリアナは告げる。
「七割です。それでも私は、避難させるべきだと思います」
未来は決まっていない。
だから予測する。
危険をなくせないから、備える。
そして愛もまた、誰かを自分のものにすることではない。
海も、仕事も、友情も、自分自身も諦めない少女が、不確かな未来と愛を選び取る海洋異世界恋愛。
Serialization Info
Web Novel