Synopsis
僕は死にたくなかった。
お国のため。家族のため。名譽のため。
どいつもこいつも、死にたくない僕に死んだ後の話ばかりする。
東京が焼け、赤紙が届き、遂には松代の暗い坑道へ。
それでも僕は、国のために立派に死ぬ気などさらさらなかった。
見張りがいなければサボり、どうせ負けると悪態をつきながら、ただ生き延びる。
そして捌月拾伍日――やっと国は負けた。
英雄にも、愛国者にもなれなかった一人の青年と、
戦争が終わった先にあった、一片のチョコレートの話。
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