Synopsis

俺は、学校で誰にも話しかけられない。 でも夜になると、三百人が俺の名前を呼ぶ。 俺の一日は、そこから始まる。 帰って、ドアの内側に貼った毛布を確かめて、配信をつける。 顔は出していない。本名も言っていない。声だけだ。 千日以上やって、一度もバレていない。 その夜、コメント欄に知らない一行が流れた。 「明日、教室で気をつけて」 数秒で消えた。書いた本人が消した。 翌日、告白された。 疎遠になっていた幼馴染に、クラスの真ん中で。 後ろの席で、誰かが吹き出すのをこらえていた。 受けた。断ると目立つからだ。 目立てば、誰かが俺の夜を探しに来る。 つき合っているふりを続けて、何日か経った頃。 彼女の喋り方に、聞き覚えがあると気づいた。 指摘を「そこ、」で始める。語尾を「けど」で止める。 うちの配信の、常連と同じだった。 教室では一度も目を合わせない幼馴染が、 名前を伏せた場所でだけ、俺に話しかけていた。 知っているのは、彼女だけじゃない。 あの警告を書いて消した人間が、まだどこかにいる。

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Kakuyomu
Kakuyomu08/16/2026
  • Current正体を隠して配信していた俺が罰ゲームで告白されたので、大人しく騙されたふりをしていたら、彼女が俺のリスナーだった