Synopsis
まだ瀬戸内海が広い平原だった旧石器時代。
現在の家島周辺で、亡き父の石刃を手に獣を追う若者から、物語は始まる。
土器に亡き子への思いを込めた母。田へ流れる水を分けた若者。壇場山古墳の土を運んだ人夫。播磨国分寺の瓦を担いだ少年。書写山へ弟の名を届けた少女。御着城の戦火から逃れた商人の娘。姫路城の木を組み、石を運び、白壁を塗った職人たち。そして、姫路空襲の炎の中で子どもの手を離さなかった母――。
歴史に名を残した城主や武将ではなく、その時代の姫路を生きた無名の人々が、一人称で自らの一日を語る全23篇の連作歴史叙事詩。
水、石、声、そして白。
時代を越えて受け渡されたものは、2026年を生きる一人の中学生へとたどり着く。
私たちの暮らす町は、誰がつくったのか。
名を残さなかった人々の声を通して、旧石器時代から現代まで続く「姫路」という土地の記憶を描く。
※遺跡、年代、建造物、災害などは史料に基づき、登場人物、家族、会話および個別の出来事は創作しています。
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