Synopsis

埃っぽい地下劇場の暗がりで、スポットライトの中心に立つあいつにずっと焦がれていた。 いつか同じ光を浴びたい。その切実な願いを友情の裏に隠したまま、俺たちの道は残酷なほど正反対に分かたれた。 ――時は流れ、あいつは完璧な偶像(アイドル)としてネオンの頂点へ。 俺は夢も仕事も失い、渋谷のネオンの海をあてもなく彷徨うみすぼらしい魚になっていた。 12月の冷たいアスファルトの上。深夜0時。 周囲の光が消え、頭上の巨大ビジョンをあいつだけが独占する中、俺はすべてを諦め、深海の底へ沈むように目を閉じた。 だが、幕を下ろそうとした俺の舞台に、終わらない光が差し込む。 「……こんなところで寝るなよ」 画面の中にいるはずの君が、泥だらけの俺の手を引いた夜。 諦めかけていた人生に鳴り響くアンコールが、渋谷のネオンに優しく溶けていく。

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Kakuyomu
Kakuyomu08/16/2026
  • Current深海劇場