Synopsis

海に行きたいな、と思っていた。最近はどこもモンスターが出るから危ないらしい、とも。そのくらいの夏になるはずだった。  ライブハウスで俺のギターを勝手に弾いていた男は、ヘルメットの下が緑色だった。ゴブリンの亜種。ヒップホップゴブリンだった。  それでも、俺が三年かけてできなかったことを当たり前みたいに弾いた。  だからバンドに入れた。バレたら殺すと言われた。たぶん冗談ではなかった。  同じ夏、同じ教室の朝倉千秋は、ダンジョンの深層でゴブリンを殺している。  殺す側と、殺される側と、その間でギターを弾いている俺。  ダンジョンはなくならないし、この二人は分かりあわない。  それでも、音を出しているあいだだけは、全員が同じ場所にいられた。  全17話・完結済み

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Kakuyomu
Kakuyomu08/16/2026
  • Currentギターとゴブリンと夏休み