Synopsis

人との関わり合いを鬱陶しく思ってしまう主人公のレッケン(35歳)は町から離れた森の中を勝手に切り開いて住み着いていた。自給自足の生活は得意とする魔法の扱いによって別段、苦にはならず、住み始めてから数年が経過しても誰一人として他人と出会すこともなく、独り気ままに穏やかに過ごしていた。 時に畑仕事をし、時に獣を狩り、また或る時は我流の魔法研究に勤しむそんな日々ーーー。 こんな暮らしが続くのだと特に考えるのでもなく心のどこかで思っていた、そんなとある昼下がり。 ーーー事件は起きた。 我流の魔法研究により生み出した魔道具の性能を確かめるべく、引きこもってから初めて森を出たレッケンは嫌な予感がして道を引き返そうとしたのだが、見えない壁に阻まれ家路を辿ることができなくなってしまう。 「・・・あ。ああ・・・、結界の鍵、家の中だ・・・」 一度空を仰ぎ見た主人公の脳裏には新天地への移住が僅かに過る。 だが、自分の姿を見下ろした瞬間にどうしても戻らなければならない理由を否応にも再確認する。 何度となく、ため息が足元に落ちていった。 そうして、踏み入ることが一切叶わなくなってしまった憩いの地の前でレッケンは半ば諦めるように感情と思考に区切りを付け、決心をする。 「町・・・行くかぁ」 ーーーこれは、家に帰る為に放浪し、奔走し、狼狽する訳アリおじさんを描いた物語である。

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Kakuyomu
Kakuyomu08/15/2026
  • Current訳アリおじさんの無期限放浪記 ~家の中に大切な物を置いて出た結果、二度と帰れなくなった哀れなおじさんの手記である~