Synopsis
掬い上げた砂は
空に触れて透き通る
舞い上がり煌めいて
風にさらわれ消えていく
途端に世界は鮮明に
色の全てが存在を強めて
人だけが浮かぶ
褪めた色紙を混ぜたように
此処は自分の居場所じゃない
外側の誘いから
必死に逃げる夕暮れの街
最後は硝子の時計台
先端から落ちる影
投げ出された手足
浮遊感は永久にも感じた
落ちた暗闇の中
それは蛍光灯が明滅する部屋
覚醒する意識
安堵の想いが満ちる
曇った窓から水滴が流れ
月明かりは霞む夜更け
深い呼吸を密かに一つ
違う世界を心に望み
瞳の奥へ視線を向けた
.
Serialization Info
Web Novel