Synopsis

異国の街に移り住んで数年。「私」は、迷うことを意図的に楽しんでいる。 真夏の正午、ヴェニスの迷路じみた裏路地を歩いていた私は、地図にもない静かな広場へと迷い込む。そこにあったのは、何もない空間を区切るように立つ、一枚の扉。 扉を開けた先に広がっていたのは、秋の日本を理想化したような、永遠の夕景だった。 暮れきらない夕陽。黄金色の棚田。収穫を続ける奇妙な人影。 そして、その景色に背を向けて座る、「トオル」と名乗るひとりの老婦人。 「よく来たね。旅人さん」 これは、夕景と、そこに取り残された幽霊をめぐる、ひとときの迷い道の話。

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Kakuyomu
Kakuyomu08/15/2026
  • Current夕景、トオル