Synopsis

コンセプト  深海を舞台に魔法を用いた潜水艦と巨大な海魔との戦闘を読みたかった。  ……ところで皆様 『銀髪赤目で白スク水ベースのお姉ちゃんな魔法少女』は好きですよね? ・世界設定  異世界から侵略する魔物と、魔物を戦う魔法少女達が存在する現代世界。  現代兵器は低位の魔物相手ならば通じるが、高位の魔物には核兵器を通じない。 ・あらすじ  第1話、深海性魔法少女。 『事前知識  日本にとって深海は身近な存在となっている。  東京湾から南に数キロ出ると東京湾底谷が存在する。  目と鼻の先に水深1000mの深海が広がっているのだ。  海の中、水深200mもあれば太陽光が届かない未知の世界となる。  また水深10m毎に全身を包む圧力が1気圧分加算されていく。  素潜りで息を目一杯吸い込んで水深50mまで潜ると、水圧で肺が押しつぶされて死に至る可能性がある。  ガスボンベを用いる場合も酸素を含んだ高圧ガスが毒となるため、水深100mを超えるならば特殊な訓練と身体の慣らしが必要となる。  このように深海とは過酷な世界となっている』  海魔との戦いにおいて、深海に引きずり込まれることは死を意味していた。  生身の人間は深海に勝てない。  深海の戦場は魔法少女にとっても未知の領域だった。  そんな東京湾南部に全長数キロの巨大海魔が目撃された。  東京湾と相良湾の海運がストップする非常事態となった。  政府は実績ある海の魔法少女マリン隊に海魔討伐を命じた。  だが現地に赴いたマリン隊は沖に囮として不快な音を出す氷の筏をデコイとして並べるだけ。  海魔を見失わないように、東京湾には上がってこないように終始している。  戦力が足りないと判断されたのか、スカイ隊のSランクエース魔法少女『スカイルミナス』と『スカイダークネス』を支援に出された。  しかしどれだけ戦力を集めても深海に潜む魔物は倒せない。  光は深海に届かないし、重力使いでも深海には敵わない。  浅い東京湾を戦場にすれば、高波で東京湾沿いに深刻な被害が出る。  マリン隊は深海適性を持つ『人魚姫』魔法少女マリンバブルの到着を待つしかなかった。  けれど『人魚姫』は政府の要請により、外交の一環としてアメリカとの貸し出されていた。  案件はバミューダトライアングルの海魔討伐。  その海魔討伐に成功したのがわずか半日前。  地球の裏側で大仕事を成したばかりだ。  マリンバブルは潜水艦に乗ったまま太陽を拝まずに米海軍の戦艦に牽引されて、パナマ運河を通過。  そして太平洋の反対側から東京湾に帰還してくる予定だった。  文字通りの深海弾丸ツアーである。 『知識として  一度海を出て、飛行機で帰国すればいいのではないか?  潜水艦コフィンは超深海の水圧対策と減圧症対策のために水中呼吸可能な改良されたPFC(パーフルオロカーボン)液体で満たされており、簡単に乗り降りできるものではない。  また身体の負担も潜水艦の負担も大きく再度深海を潜るには休養と整備の期間を要する  以上が海に潜ったまま移動した理由です』  わずか十二時間(1000ノット、時速1850キロという戦闘機並みの強行軍)で太平洋を横断した魔法少女マリンバブルは、そのまま海を泡で真っ白に染めあげた。  海魔は大量の泡という海の中の落とし穴によって強勢的を深海に落とされる。  そして大量の泡を深海で発生させるキャビテーション・インプロージョンの魔法で海魔を爆殺した。  スカイ隊のSランクエース魔法少女『スカイルミナス』と『スカイダークネス』でさえ、その力に畏怖を覚える。  Aランク以上の魔法少女は報告義務がある。  二人は秘密主義が過ぎないかとマリンウェーブに詰め寄るが、人魚姫こと泡の魔法少女マリンバブルはまさかの最弱ランクEだと判明する。  第2話、泡沫水環(うたかたみなわ)  Sランク魔法少女『スカイルミナス』と『スカイダークネス』が派遣されたのは、ただ支援のためだけではなかった。  魔物の最上級『龍』の復活。  炎龍討伐作戦の応援要員として、マリン隊の戦力として確認していた。  二年前に起こった炎龍災禍。  最上級の魔物に与えられる称号『龍』を冠する魔物の出現。  本土を戦場にしないという意図で空での戦いとなったが防衛線は突破されて、補給基地となっていた青葉島は焼き尽くされた。  青葉島は東京湾南部の離島、人口は約1000人いた。  島民の生存者は約50名。  当時、建物で現存したのは避難所の学校のみ。  青葉島が戦場となり、高位の魔法少女も何十人も亡くなり、支援に当たっていた一般職員の犠牲者も数百人犠牲なった。  結果として封印には成功したものの、討伐には至っていない。  そんな炎龍が復活の兆しを見せている。  『人魚姫』魔法少女マリンバブル、泡沫水環は救助された青葉島の50人のうちの1人だった。  泡沫姉妹は島唯一の魔法の使い手だった。  泡魔法でできることはシャボン玉遊びと、洗濯機を使うよりも早く洗剤なしに洗濯を終えるぐらい。  幼少期は魔法少女に憧れたが、すぐに自分の魔法が役立たずだと悟っていた。  当時は14才で島を出て、東京本土の高校に進学を考える時期でもあった。  ちなみに3歳年下の妹の泡沫空は希少な感応魔法所持者として本土の内定が決まった。  しかし感応魔法の特性ゆえに人間嫌いを拗らせていて両親と姉の水環以外に心を開かずにいた。  そんな時期に炎龍災禍が発生する。  家と両親と家族のように親しい大勢の島民を失った。  生き残ったのは学校に避難できた50人だけ。  妹と二人だけになった泡沫水環は、救助してくれた魔法少女マリンウェーブに憧れて、再度魔法少女を目指すことになる。  妹の泡沫空は1000人以上の炎龍災禍で両親や親しい島民の人々が死ぬ瞬間を察知してしまい、心に傷を負って姉の水環に依存していた。  Bランクの支援型魔法少女ニーアリンクとなったが、人口密度の高い市街地での活動ができず、人口密度の低いマリン隊の支援要員として姉を支えている。  そんな過去が明かされて、現在青葉島で眠っている炎龍に復活の兆しあり。  マリン隊の精鋭に応援要請が来た。  第3話、炎龍討伐作戦会議  広域に亘って真っ白な泡に覆われる海。  その光景に「これなら行けるかも」と拳を握り締めた魔法少女スカイルミナスとスカイダークネス。  その海の下でマリンバブルは「もっといけるかも」と呟く。  実はマリンバブルに周囲のエントロピー量と比例して魔力が上昇する特性があった。  それが地上では役立たず、深海では最強の理由でもある。  人間の住める環境でなくなり、炎龍が眠る島となった青葉島。  常時千度を超える燃えさかる島で炎竜が復活しようとしている。  光魔法を使う魔法少女『スカイルミナス』と重力魔法を使う『スカイダークネス』は二年前の討伐作戦に参加した主力だった。  その二人が揃って「正面から戦えば勝てない」と悟っていた。  だから青葉島は放置されていたのだ。  理由は炎龍の巨大さと再生能力にあった。  全長は十キロほど。  横に平べったく横に平べったい空飛ぶツチノコみたいな外見。  外皮は強固でAランク以上の魔法少女でなければまともに戦えない。  巨大さゆえに死ににくく再生能力も高い。  二年前は大勢の魔法少女が犠牲となり死力を尽くして空から落とせたが、結果として青葉島は犠牲となった。  また魔法少女『スカイルミナス』と『スカイダークネス』も魔力切れで10日ほど活動休止を余儀なくされた。  炎龍が本州に到着すればどれほど被害が出るのか想像ができない。  今回の討伐では核兵器の使用も決定している。 (実はそのせいでマリンバブルがバミューダトライアングルの海魔討伐に駆り出された)  しかし核兵器で倒せるとも思われていなかった。  三年間、国もただ放置していたわけではない。  炎龍の外皮組織などを採取して研究していた。  常時1000℃を超高熱で液体金属のような性質を持ち、硬く粘性も高く再生能力も高い。  けれど温度が下がれば脆い岩石のように崩れてしまう。  つまり炎竜を海に叩き落とせれば、強制的に外皮が冷まされて攻撃が通りやすくなる。  また落とした瞬間の海底火山噴火を彷彿とさせる水蒸気爆破でダメージが与えられることも計算されていた。  唯一の勝ち筋は海に叩き落とすこと。  しかしそう簡単には落とせない。  三年前、魔法少女達は炎龍を空から青葉島に叩き落とした時点で作戦続行不可能に陥っていた。  持久戦は不可能なので短期決戦が求められる。  核兵器の使用で落とせればいいが代案は必要だった。  そこで白羽の矢が立ったのが、マリンバブルの泡を生み出す能力だった。  炎龍の下の海は凹んで周囲に波が発生していた。  炎龍は飛行機のように進むことで揚力を得ているわけではない。  ヘリコプターのように下方向に力を加えた能力を得ている。  マリンバブルの生み出す泡に覆われた海の上を飛ぼうとすると、揚力が生み出せず落ちてしまうのだ。  泡によって揚力発生が阻害されるからだ。  そのことは飛行する魔法少女でも実証されていた。  国は魔法少女マリンバブルの魔法で海に泡の蟻地獄を作って、空中要塞のような炎竜を海に落とそうとしていた。  もちろんそれは複数ある作戦のうちの一つ。  メインは核兵器。  サブはスカイダークネスによる衛星軌道上から巨大な金属の槍を落とす『神の鉄槌』作戦。  マリンバブルによる泡はあくまで補助の役割だった。  マリンバブルの負担が大きすぎると多くの反対の声が上がった。  マリンウェーブが反対するが、マリンバブルは参戦の意を示した。  なぜならば炎龍は両親と青葉島の人々の敵だから。  地上では最弱の泡の魔法少女が最強の存在を討つ切り札となる。  第4話、天を舞う炎龍を堕とす最弱の泡  東京の海の南部に位置する青葉島。  炎龍が眠るその島は今も灼熱に包まれ、あらゆる動植物の生存を許さない地獄だった。  そんな島から今まさに炎龍が飛び立つ。  相変わらず 全長は十キロほど。  横に平べったく横に平べったい空飛ぶツチノコみたいな外見。  その身体は2年前よりも一回り大きく、外皮が分厚い装甲と化している。  三年前より強くなっている。  そのことに衛星軌道付近で待機していた魔法少女『スカイルミナス』と『スカイダークネス』は危惧を抱く。  二年前の失敗より起こった炎龍災禍。  国にとっても2人にとっても炎龍討伐は悲願だった。  そのために様々な準備をしていた。 『核兵器』  衛星軌道上からスカイダークネスが放つ巨大質量を加速させて落とす『神の鉄槌』は3発分。  衛星軌道上でスカイルミナスが太陽光を集めて放つ『ソーラーレイ』。  それにAランク以上の魔法少女が何人も投入されている。  それだけ戦力を揃えても炎龍を倒せるかわからない。  そして炎龍が飛び立った。  進路は東京を目指している。  戦場は最大水深5000mの深海域が選ばれた。  浅い海で炎龍の外皮を冷ますことすらできないからだ。  最初の一撃は核弾頭から始まった。  ほぼ同時にスカイダークネスの神の鉄槌が放たれる。  短期決戦なので最初から全力の攻勢。  周りを巻き込む可能性が高い核弾頭は最初にしか使えない。  その攻撃に炎竜の進行は停止させた。  けれど停止させることしかできなかった。  炎龍の外皮が数千℃に達して赤から白に染まり、咆哮をあげる。  直撃した神の鉄槌は高温にさらされて蒸発するように消えた。  この時点で多くの魔法少女が恐怖のあまり心が折れかけた。  作戦本部もスカイルミナスもスタイダークネスも見込みが甘かったことを痛感していた。  だが一人だけ……攻撃の失敗を確認せずに、炎龍の真下の深海に潜んだ者がいた。  潜水艦コフィンに乗った人魚姫こと魔法少女マリンバブル。  地上では最弱の魔法少女の力をまだ誰も正しく理解していなかった。  炎龍下方の海が、水深5000mの深海が数キロにわたって白い泡につつみ込まれる。  それはデモンストレーションで行った規模をはるかに超える広大な規模だった。  マリンバブルの力は水深が深ければ深いほど強くなる。  誰もがその光景を正しく理解できなかった。  攻撃に転じようとした炎龍が、広域にブレスを放とうとしてバランスを崩しながら墜ちていく。  その光景を目撃して初めて、マリンバブルの攻撃が炎龍の虚をついて、海に落とす作戦が成功したことに気づいた。  炎龍の落水。  それを見逃すスカイルミナスとスカイダークネスではない。  極小に範囲が絞られたソーラーレイが炎竜の外皮を焼き切るように注がれる。  二発目の神の鉄槌が浮上を諦めない炎龍の頭を押さえつけて泡の中に叩き落とした。  そこに大量の海水が泡を押しのけるように戻ってきた。  超高温に達していた炎龍の外皮が流れ込んだ海水に触れて、海底噴火を彷彿とさせる水蒸気爆発を引き起こす。  大波と核弾頭を上回るキノコ雲の発生。  白く輝いていた炎龍の外皮が冷まされて黒く染まる。  本来ならば海に落としてからすぐに、控えていた魔法少女達の総攻撃が始まる予定だった。  しかし多くの魔法少女達は桁違い攻防に出遅れてしまった。  炎龍の脆くなった外皮を貫くが攻撃が揃わない。  その間隙を逃す炎龍ではない。  炎龍は脆くなった外皮を脱皮して、細身になった姿で浮き上がる。  そして一番の脅威に対してブレスを解き放った。  つまり深海にいるマリンバブルを狙ったのだ。  炎龍のブレスは水深5000mの海の底を真っ赤に染めるほどの破壊力。  それが深海に潜むたった一人の魔法少女を殺すためだけに放たれた。  直撃は免れたがマリンバブルの乗るコフィンは大破した。  それを察知した妹のニーアリンクが泣き叫ぶ。  悲鳴が精神波となり、その場にいる全ての人に届いた。  人は水深5000mの深海で生きていられない。  マリンバブルが深海から浮上するためには潜水艦コフィンが必要だった。  この時点でマリンバブルの死は確定したように思えた。  しかしマリンバブルの最後の思念波で 「作戦は継続。私が炎龍の動きを止めます」  と伝えてきた。  飛び上がろうとした細身となった炎龍が再び泡に囚われて海に落とされる。  そこにスカイルミナスとスカイダークネスを含めた魔法少女達の総攻撃が始まった。  今度は出遅れる魔法少女はいなかった。  第5話、深海の人魚姫  胴体を貫いた神の鉄槌。  首を切り飛ばしたソーラーレイとマリンウェーブの高水圧カッター。  炎龍は生命活動を停止していた。  白い泡も消え失せている。  討伐成功を喜ぶ者もいるが、ニーアリンクは泣き叫びながら姉の名前を呼んでいた。  人を助けるのが魔法少女の仕事。  と、炎龍の身体を貫いた巨大な神の鉄槌を足場にしながら、総出となって水深5000mの海を氷で固めながら掘り進める救助活動が始まった。  それでも水深4000mぐらいで限界が来る。  電気使いのマリンコンセントが磁力を使い潜水艦コフィンの残骸を拾い上げることに成功するが、外装は破壊されて中身は空だった。  誰もがマリンバブルは死んだと思う中、マリンウェーブが海に飛び込む。  水深4000m以上の深海でわずかでも活動できるのがマリンウェーブだけだった。  人間が深海に投げ出されて生きていられるはずがない。  すぐに水圧で死ぬ。  けれどマリンバブルはコフィンを大破されても即死せずに炎龍の動きを阻害し続けた。  水圧を防ぐ泡をまとってまだ深海を漂い続けているはずと信じた行動だった。  マリンウェーブが思い出すのは二年前の青葉島。  灼熱に包まれて誰もが発火し、島民全員死に絶えたと心が折れかけた救助環境で、泡沫水環が避難していた学校の校舎だけが泡で包まれて50人が無事に救助された。  今度も生きているはず。  その想いは届いた。 「また助けられましたね」 「……助けられたのは私の方だよ。二年前から」  という会話で完結。   魔法少女は3種類 ・陸、市街地を守るあなたに身近な魔法少女『ニーア』隊 :街を守る身近な存在として人々の注目を集め、アイドルのような衣装を着ている。  広報も担当して、汎用性も高く裏方も務めるが実力は玉石混交。  接頭語として名前に『ニーア』が付き『ニーア◯◯◯』などの名前で活動する。  ニーアは「近くの」転じて「地域の」という意味。  ランクはA〜E  本編の舞台は海のため市街地戦は想定しておらず、あまり出番がない。  主人公の3歳年下の妹(泡沫空)魔法少女ニーアリンクがテレパシストの支援要員としてマリン隊に常駐しているぐらい。 ・空を守る魔法少女『スカイ』隊 :空を飛べるだけの魔力と技術を兼ね備えて、長距離移動できることから広域救助活動なども行う花形のエリート部隊。  陸守魔法少女よりも落ち着いたデザインで装甲をまとっている。  接頭語として名前に『スカイ』が付き『スカイ◯◯◯』などの名前で活動する。 ランクはS〜B  本来は主人公格。  スカイ隊は、三年前の炎龍災禍で救助された主人公の泡沫水環(うたかたみなわ)にとって憧れの存在だったが空の適性がなかった。  ただ泡沫水環を救助したのは、炎龍災禍時に水魔法が得意だからとマリン隊からに駆り出されていた魔法少女マリンウェーブだったので、泡沫水環は恩人との再会は果たしている。 ・海を守る魔法少女『マリン』隊 :海を守る魔法少女。活躍の場には人がいることが少なく目立たない地味なお仕事。  セーラー服に水着姿で一部の人には絶大な人気を誇る。  接頭語として名前に『マリン』が付き『マリン◯◯◯』などの名前で活動する。 能力は強いが市街地では使いにくい。  クセの強い魔法能力を持つ魔法少女が集まっていてランクはS〜E。  海は危険な戦場なので、本来ならば最低でもCランクから任務に就くことになっていた。  けれどコードネーム『人魚姫』という例外の存在により、Eランクも存在することになった。 登場人物 泡沫水環(うたかたみなわ)/マリンバブル :本作の主人公。  等級下位の泡魔法を使う魔法少女。  陸上では能力査定最弱のEランク魔法少女。 空を飛ぶ才能なし。  けれど潜水艦『コフィン』に乗り込み深海に赴けば、深海適性Sランクのエースオブエース。 対外的なコードネームは『人魚姫』  普段は黒髪眼鏡の地味少女。  魔法を使うと銀髪赤輝眼で白スクール水着にセーラー服を着ている魔法少女に変身する。  東京南部の離島、青葉島生まれ。 けれど三年前の炎龍災禍の戦場となり、全てが炎に包まれて約1000人いた島民で生き残ったのはウタカタと共に避難していた僅か50名だけだった。  故郷と家族を失った泡沫水環は自分を救助してくれたスカイ隊に憧れて魔法少女を志す。  けれど才能がなかった。  陸上では弱く、空を飛ぶことはできない。  泡魔法は最弱と言われており、シャボン玉遊びと笑われることもある。  そのため自己肯定感が低い。  後方支援に回されるところを深海適性ありと判断されて、Eランク魔法少女からCランク以上が条件のマリン隊に異例の抜擢をされる。  こうして一人乗り小型潜水艦「コフィン」(棺桶)に乗って、深海で上位の海魔を一人で屠る驚異の深海性魔法少女が誕生した。  深海に巣食い大型船を襲う上位海魔はどれだけ魔法少女を費やしても討伐不可。  深海に逃げられたら手を出せない存在だった。  稀に全長何キロメートルもある巨大海魔が浅瀬や陸に上がって甚大な被害を出しながらの討伐事例ならば存在する。  上層部はマリン隊の『人魚姫』の情報を国家機密として、外交材料に用いていた。  泡沫水環は二年前の魔獣災害『炎龍災禍』の被災者で、助けてくれた魔法少女に憧れて魔法少女となった。  けれど助ける人が誰もいない深海専門の魔法少女になったことで、自己肯定感が壊滅的になくなっている。  深海に一人で沈んでいることがお似合い、と自嘲しているが、深海で動き回れる才能がどれほど凄いか認識していない。 「コフィン」は文字通り棺桶。  先端は六角錐、胴体は六角柱のミサイル型で直径は1mほど全長は2mほど。  表面は中央が少し膨らんだ10cmほど六角装甲、つまりハニカム構造で覆われている。  この10cmの六角装甲で出力なども調整している。  潜水艦の中は超深海の呼吸可能なPFC(パーフルオロカーボン)液体に満たされており、超深海の水圧に耐え、水深変化による減圧症などに耐える仕組み。  実は推進動力が存在しない。  潜水艦とは名ばかりの丈夫な棺桶。  だがマリンバブルの泡魔法により深海最強の存在となる。 『コフィン』は黒い金属の塊だが、水の中では主人公ウタカタの魔法『バブルスキン』により純白に染まっている。  移動手段は『コフィン』の表面に剥がれることのない魔法の泡『バブルスキン』を定着させて水圧を無効化するだけ。  一定方向だけ水圧を無効化された潜水艦は周囲の水圧に押されることで推進力を得る。  つまりキャビテーションで動いている。  浅瀬では低速だが、深海の深度が深くなればなるほど自由自在に速くなる。  水圧は水深10m毎に1気圧加算されていく。 水深1000mでは100気圧相当、1平方メートル辺り1000トンの圧力がかかる。  10cmほど六角装甲一枚にかかる圧力は約26トンとなり、バブルスキンを一枚分だけ剥がすだけでも十分な推進力が得られる。 ※泡魔法でキャビテーションを発生することができるといっても、闇に包まれた視界0の深海。  少しでも制御を間違えたら即死の高水圧の深海環境に適応している魔法少女マリンバブルは、海に詳しい者からは畏怖の目で見られている。  泡魔法の魔法少女は他にも存在するが、深海に潜ることが可能な魔法少女はマリンバブルのみだった。  現在国が総力を挙げて第二のマリンバブルを生み出せないか研究中。  ちなみに炎龍災禍で唯一救助された青葉島の学校避難所は、全校生徒教職員と避難民合わせて50名ほどが全員生還している。  魔法少女マリンウェーブが駆けつけた時点ですでに炎に包まれており、島全体が千℃に達していて人間が生き残れる場所ではなかった。  救助された全員が泡に包まれていたことが記録されている。  つまり泡沫水環の泡魔法が防火と断熱材と呼吸可能な空気の確保をしていなければ全滅だったが、そのことを泡沫水環は認識していない。 ・使用魔法と用語。 ・泡魔法 『バブルタッチ』  深海ですぐ水に溶ける極小の泡を膜のように無数に広げることで、視界ゼロの環境で周囲を把握している。  基本、この索敵魔法がなければ視界ゼロの深海で活動できない。 『バブルスキン』  潜水艦『コフィン』を覆う白いモヤ。  その正体はモヤにしか見えない細かい泡。この泡を潜水艦の表面に出現させて維持することで、かかる水圧を自在に無効化させて、深海を自由自在に移動する。  このバブルスキンが剥がれた瞬間、潜水艦『コフィン』の表面に何トンともいうべき水圧がかかり、吹き飛ばされるように移動する(キャビテーション) 『キャビテーション』  正確には魔法ではないが、高水圧下の深海で進行方向に白いモヤとしか言えない細かな泡を発生させてその方面だけ水圧を無効化させることで、周囲の水圧に押し出される現実にある物理現象のこと。 ※視界ゼロの空間で、制御を誤り泡が途切れると何百トンという力をもった深海の水に潰される環境で超高速で潜水する 『キャビテーション・インプロージョン』  深海の中で大きな気泡を生み出して、水圧により圧縮させて熱を生み出し、何度も爆発を起こす現象の魔法化。  深海でないと使えない。 『ホワイトアウト』

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Kakuyomu
Kakuyomu08/14/2026
  • Current深海性魔法少女ウタカタ