Synopsis

亮介と誕生日の食事に出かけ、車を停めたところで、隣に見覚えのある黒いメルセデスがあることに気づいた。  美咲の車だった。  妊娠四か月の美咲は、昨日から二日間、名古屋で美容業界の研修に参加するはずだった。予定が急に変更になって、たまたま友人とこのホテルに来ているだけなのだろうか。  偶然かもしれない。そう思い直し、とりあえずレストランを確認することにした。ロビーの受付まで行き、スタッフに声をかける。 「予約名は小野寺美咲です。連絡先は090――――0602です。レストランの予約が入っていないか確認していただけますか」  スタッフは端末を確認し、しばらくして顔を上げた。 「申し訳ございません。小野寺様のお名前では、レストランのご予約は確認できません」  胸の奥が、嫌な音を立てて沈んだ。  こんな高級ホテルに来ているのに、食事ではない。  まさか……。  泊まりに来たのか。

Serialization Info

Web Novel

Service languages
Kakuyomu
Kakuyomu08/14/2026
  • Current妊娠中の妻は「研修」と嘘をつき、年下の部下とホテルに泊まっていた