Synopsis
放課後の図書室で、いつも一人静かに本を読む栞。
そんな彼女の前に現れたのは、遅刻や居眠りばかりの問題児・蓮だった。
「先生来たら起こして」
交わるはずのなかった二人は、たった一言をきっかけに、少しずつ同じ時間を過ごすようになる。
本なんて読まなかった蓮は、いつしか栞から本を借りるようになり、栞もまた、彼に読んでほしい本を選ぶようになっていく。
けれど――
「それ貸して」
「……これはだめ」
栞には、蓮にだけは貸せない一冊の本があった。
好きな文章に引かれた線。
ページの余白に残された、小さな言葉。
そして、誰にも知られたくない気持ち。
近づいていく二人とは裏腹に、卒業の季節は静かに迫ってくる。
言えば、何かが始まるかもしれない。
でも、言えば今の二人ではいられないかもしれない。
これは、一冊の本に恋を隠した少女と、
その気持ちを知らない少年の、
名前のつかない恋の物語。
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