Synopsis
ローヴァン、三十五歳。
誰もが認める、人類最強のB級冒険者。
A級昇格は八度推薦された。
すべて断った。
名誉にも、地位にも興味はない。
強敵も。
秘境も。
かつて未知だったものも。
長く歩き続けるうちに、いつしか何を見ても心が動かなくなっていた。
欲しいのは、まだ誰も見たことのない景色だけ。
人類が地図を描くことを諦めた西の果て。
その先を目指したローヴァンは、数百体のオーガが築いた街を発見する。
人類の知る世界は、ここで終わっていた。
だが、その先にも世界は続いている。
そんなある日。
第三騎士団が消息を絶った。
最後に確認されたのは、大峡谷。
そして、その谷底には――地図がない。
ローヴァンは迷わず谷底へ向かう。
そこで彼が目にしたのは、人類の常識が何一つ通用しない世界だった。
未知の生き物。
未知の土地。
未知の文化。
そして。
人類が足を踏み入れるより、遥か昔からそこにいた者たち。
人類最強。
そう呼ばれた男は、まだ知らない。
世界には、人類より先に“最強”がいたことを。
これは、世界を知り尽くしたと思っていた一人の冒険者が、もう一度、未知に心を躍らせる物語。
「……広いな」
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