Synopsis
文明が滅びてから、数百年。
かつて人類が築いた高度文明は崩壊し、地上には今も旧文明の機械――《機巧》が徘徊している。
人々は城壁に守られた町で暮らし、旧文明の技術をもとに再び機巧を造り、農業や採掘、運搬などに利用していた。
久世律、十六歳。
機巧工房を営む家に生まれた律は、学校を卒業してから二年間、父のもとで機巧職人として働いている。
人付き合いは苦手。
けれど、機巧のことになると時間を忘れるほど夢中になる。
そんな律が特に惹かれていたのが、探索士たちが町の外から持ち帰る《野良機巧》だった。
見たことのない構造。
現行品より優れたセンサー。
失われた技術で造られた部品。
「動いているところを、自分の目で見てみたい」
ただそれだけの好奇心から、律は探索士の資格を取る。
相棒は、工房で廃棄されかけていた一体の古い機巧。
決して高性能ではない。
それでも律にとっては、誰よりも構造を理解している大切な一体だった。
野良機巧を倒し、部品を持ち帰る。
工房で解析し、相棒へ移植する。
新たな知識を求めて遺跡へ潜り、少しずつ失われた世界の地図を取り戻していく。
やがて律たちは、人類が五百年近く近づくことのできなかった《機巧拠点》と、旧文明が滅びた本当の理由へと近づいていく。
これは、機巧が好きだった一人の少年が――
相棒とともに、灰に埋もれた世界を探索する物語。
Serialization Info
Web Novel