Synopsis

軍事クーデターから13年。 国が新聞もラジオも管理するこの国で、どこの誰が発行しているのか分からない一枚刷りがある。 正式名称はない。 ただ、街の人々はそれを「号外」と呼んでいた。 そんな号外を作っているのは、古い雑居ビルの小さな事務所で暮らす4人だけ。 昼までソファで眠る編集長、レオン・グレイ。 酒代まで経費にしようとするレオンを取り締まる経理のエマ。 理想だけは一人前の新人記者マックス。 何でも写真に収める無口なイヴァン。 家賃は滞納。給料は未払い。印刷機は故障寸前。 持ち込まれるのは迷子捜しに、店の評判調査に、どうでもよさそうな街の揉め事ばかり。 それでも4人は取材する。 国営新聞が決して書かない、街の小さな真実を紙に残すために。 普段はだらしないレオンだが、取材先で銃声が響いたとき、その動きは新聞屋のものではなかった。 壁に掛けられた、13年前の旧式小銃。 消された戦争の記録。 そして、かつて死亡したことになっているレオンの名前。 これは、国を救う英雄たちの物語ではない。 今日の記事と明日の家賃をめぐって騒ぎながら、ときどき一枚の新聞で国を揺らす、4人だけの編集部の日常である。

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Kakuyomu
Kakuyomu08/22/2026
  • Current号外編集部、本日も取材になりません ~軍事国家で居場所を失った4人は、それでも新聞を刷り続ける~