Synopsis
未だ暑さが続く中、いつの間にか蝉の声がなくなっている。
暑さで死んだのか、それとも寿命だろうか。虫に明るくない俺にはまるで分からない。ただ、忙しなく騒がしい音が止んだのは大変助かる。何もない部屋に、あの騒音は随分と際立っていたから。
羽化した蝉の命は一ヵ月だという。儚さの象徴のように扱われるが、毎日毎日泣き叫ばなければもっと生きられるのではないか。何を必死に張り上げているのだろう。馬鹿馬鹿しい。俺のように、やる事もなく静かに寝ていれば、もっと……
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