Synopsis

生まれつき足に障害を抱える少女・灯(あかり)は、目に見えない障害に対する無理解な視線や普通であれという期待に押しつぶされ、助けを求めることすら諦めて生きてきた。そんな彼女に本当の自由をくれたのは、大切な友人である沙耶が贈ってくれた一台の電動車椅子だった。「これは灯を未来に運んでくれる自由の翼だよ」その温かい言葉に背中を押され、前を向く決意を固めた矢先、灯は車椅子ごと異世界へ召喚されてしまう。 与えられたのは、車椅子に宿った攻撃力ゼロの【移動の力】だけ。魔物がうごめく過酷な世界で途方に暮れる灯の前で、車椅子は突然意思を持って喋り出した。「前を向け。俺様が護ってやる!」 地形に応じて自在に変形し、口は悪いが圧倒的な機動力を誇る相棒――魔導車椅子「輪」と共に、灯は誰の涙もこぼさない優しくも苛烈な旅へ踏み出す。 灯の力は敵を討伐するためのものではない。人の心の色を見つめ、隠された痛みに気づき、その奥深くへ愛とスピードで優しさを届ける力だった。彼女は絶望に沈む人々の心に寄り添い、どんな困難をも乗り越えていく。 やがて巨大火山島を襲う未曾有の大災害に直面。移動の力だけでは救えない圧倒的な現実に行き当たりながらも、灯は決して諦めず、深い絆と共に危機を切り抜ける。さらに、かつて救い切れなかった少女の心を取り戻すため精神の深層「心海」へ潜り、成長のための痛みそのものに向き合いながらも誰も傷つけずに現実へ連れ戻すのだった。 その戦いの果てに、灯は思い出す。現実世界には、自分が突然いなくなったことで深く心を痛めているはずの親友・沙耶がいることを。 「沙耶の笑顔を救わなきゃ……私の旅は終われない」 「なら行こうぜ。お前の心が強くなれば、俺の力も強くなる。いつか必ず、元の世界へ運んでやるさ」 戦わない少女と、彼女を全力で支える魔導車椅子。これは、殺伐とした物語に疲れたあなたに送る、誰一人失わずすべてを救うために進み続ける、最高に優しくて熱い異世界ファンタジー。

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Kakuyomu
Kakuyomu08/19/2026
  • Current輪廻の灯火 ―魔導車椅子と駆ける異世界レスキュー譚