Synopsis
かつて、サッカーだけがすべてだった。
クラブの下部組織でプレーし、将来を期待されていた少年は、中学最後の大事な試合で大怪我を負った。
手術は成功した。
リハビリも終わった。
医者からは、競技に復帰しても問題ないと言われている。
それでも彼は、サッカーを辞めた。
もう一度失うことが、怖かったから。
サッカー推薦をすべて断り、一般入試で高校へ進学。
「部活には入らない。普通の高校生活を送る」
そう決めていた彼は、新しい友人たちと出会い、少しずつ普通の高校生活を楽しみ始める。
そして迎えた、クラス対抗の球技大会。
人数合わせでサッカーに出場することになった彼は、一年ぶりにボールへ触れる。
最初は適当にやるつもりだった。
――そのはずだった。
「……やっぱり、楽しいな」
忘れたはずの感覚。
芝生を駆ける高揚感。
仲間から託されるボール。
そして、誰よりも楽しそうにプレーする彼を見つめていた、一人の少女。
止まっていた少年の時間が、もう一度動き始める。
これは、一度夢を諦めた少年が仲間と恋を知り、
もう一度――全国のピッチを目指す物語。
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